第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題54

自律神経作用と支配する節前ニューロンの起始レベルとの組合せで正しいのはどれか。

  1. 細気管支の収縮    頸髄
  2. 顔面の汗腺の発汗   延髄
  3. 消化管蠕動の亢進   腰髄
  4. 瞳孔散大筋の収縮   胸髄
  5. 内尿道括約筋の収縮  仙髄

解答解説

正解は4. 瞳孔散大筋の収縮胸髄です。

瞳孔散大筋の収縮は、交感神経の働きによるもので、節前ニューロンの起始レベルは胸髄(T1〜T2)です。この作用は、瞳孔を拡大させてより多くの光を取り入れるための反応です。

各選択肢の解説

  1. 細気管支の収縮頸髄
    細気管支の収縮は副交感神経の作用であり、その節前ニューロンは延髄にある迷走神経核から起始します。頸髄が起始レベルであるとの記述は誤りです。この選択肢は誤りです。
  2. 顔面の汗腺の発汗延髄
    顔面の汗腺の発汗は交感神経の作用であり、節前ニューロンの起始レベルは胸髄(T1〜T2)です。延髄が起始レベルであるとの記述は誤りです。この選択肢は誤りです。
  3. 消化管蠕動の亢進腰髄
    消化管蠕動の亢進は副交感神経の作用であり、節前ニューロンの起始レベルは迷走神経核(延髄)や仙髄(S2〜S4)です。腰髄が起始レベルであるとの記述は誤りです。この選択肢は誤りです。
  4. 瞳孔散大筋の収縮胸髄(正解)
    瞳孔散大筋の収縮は交感神経の作用であり、節前ニューロンの起始レベルは胸髄(T1〜T2)です。この選択肢は正しいです。
  5. 内尿道括約筋の収縮仙髄
    内尿道括約筋の収縮は交感神経の作用であり、その節前ニューロンは腰髄(L1〜L2)から起始します。仙髄が起始レベルであるとの記述は誤りです。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

自律神経の作用とその節前ニューロンの起始レベルを理解するには、以下の点を押さえると効果的です:

  • 交感神経:胸髄・腰髄(T1〜L2)が起始レベル。
  • 副交感神経:脳幹(迷走神経核など)および仙髄(S2〜S4)が起始レベル。
    特に瞳孔反射や内臓器官への作用は頻出事項なので、確実に覚えましょう。