第57回理学療法士国家試験　午前問題53

深部反射と反射中枢の組合せで誤っているのはどれか。

1. 上腕二頭筋反射C5・6
2. 上腕三頭筋反射C7・8
3. 腕橈骨筋反射C8・Th1
4. 膝蓋腱反射L2〜4
5. アキレス腱反射S1・2

解答解説

正解は3. 腕橈骨筋反射C8・Th1です。

腕橈骨筋反射の反射中枢はC5・6であり、C8・Th1ではありません。この反射は、腕橈骨筋が収縮する際に肘関節が軽く屈曲する反応を観察するもので、主に橈骨神経が関与します。以下はそれぞれの反射と中枢の対応です。

各選択肢の解説

1. 上腕二頭筋反射C5・6
   上腕二頭筋反射の反射中枢はC5・6で正しいです。この反射は筋皮神経を介して起こり、上腕二頭筋が収縮することで肘が屈曲します。この選択肢は正しいです。
2. 上腕三頭筋反射C7・8
   上腕三頭筋反射の反射中枢はC7・8で正しいです。この反射は橈骨神経を介して上腕三頭筋が収縮し、肘が伸展します。この選択肢は正しいです。
3. 腕橈骨筋反射C8・Th1（正解）
   腕橈骨筋反射の中枢はC5・6であり、C8・Th1ではありません。この選択肢は誤りです。
4. 膝蓋腱反射L2〜4
   膝蓋腱反射の中枢はL2〜4で正しいです。この反射は大腿四頭筋の収縮により膝が伸展します。この選択肢は正しいです。
5. アキレス腱反射S1・2
   アキレス腱反射の中枢はS1・2で正しいです。この反射は腓腹筋とヒラメ筋の収縮により足関節が底屈します。この選択肢は正しいです。

ワンポイントアドバイス

深部反射を正確に理解するためには、以下の要点を覚えておきましょう：

• 各反射の主な筋肉、神経、中枢の脊髄レベルを対応させて覚えることが重要です。
• 腕橈骨筋反射（C5・6）は上腕二頭筋反射と同じ中枢レベルである点に注意しましょう。
  反射異常は神経障害や脊髄疾患の診断に重要な手がかりとなります。