第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題97

酔うまでの飲酒量が徐々に増加するのはどれか。

  1. 渇望
  2. 耐 性
  3. 身体依存
  4. 飲酒中心性
  5. 山型飲酒サイクル

解答解説

正解は2.耐性です。

耐性とは、同じ効果を得るために必要な飲酒量が増加する現象を指します。長期にわたるアルコール摂取により、体がアルコールに慣れ、以前より多量に摂取しないと酔わなくなる状態です。

各選択肢の解説

  1. 渇望
    誤り。渇望とは、アルコールを強く求める心理的欲求のことを指します。飲酒量の増加とは直接関係ありません。
  2. 耐 性
    正解。耐性が形成されると、酔うためには以前より多くのアルコールが必要になります。これはアルコール依存症の進行過程で一般的に見られる現象です。
  3. 身体依存
    誤り。身体依存とは、アルコールを中断すると身体的な離脱症状(振戦、発汗、けいれんなど)が現れる状態を指します。飲酒量の増加とは別の現象です。
  4. 飲酒中心性
    誤り。飲酒中心性とは、生活の中で飲酒が中心となり、その他の活動や人間関係が疎かになる状態を指します。飲酒量の増加とは異なります。
  5. 山型飲酒サイクル
    誤り。山型飲酒サイクルは、大量飲酒の後に数日間飲酒を止めるなどの波がある飲酒パターンを指します。飲酒量が増加する耐性とは異なる概念です。

ワンポイントアドバイス

アルコール依存症の進行には、以下のステップが関連します:

  • 初期:飲酒量の増加(耐性形成)が見られる。
  • 中期:渇望や身体依存が現れる。
  • 末期:飲酒中心性や日常生活の破綻が進行。

耐性の形成は依存症の初期段階であり、早期発見・介入が重要です。