特発性正常圧水頭症で誤っているのはどれか。
- 脳室拡大がみられる。
- 小刻み歩行がみられる。
- 自発性の低下がみられる。
- 髄液で細胞増加がみられる。
- 腰椎-腹腔シャント術が用いられる。
解答解説
正解は4.髄液で細胞増加がみられるです。
特発性正常圧水頭症(iNPH)では、髄液の細胞増加や感染兆候は認められません。髄液検査では通常、細胞数や蛋白量は正常で、炎症や感染所見を伴わないことが特徴です。
各選択肢の解説
- 脳室拡大がみられる。
正しい。特発性正常圧水頭症では、脳室拡大(外側脳室の拡大)が特徴的な画像所見です。MRIやCTで確認されます。 - 小刻み歩行がみられる。
正しい。歩行障害(特に小刻み歩行)は、iNPHの三主徴の一つであり、最も早期に現れる症状です。 - 自発性の低下がみられる。
正しい。認知機能障害として、自発性の低下や無気力、認知機能の緩徐な低下がみられることがあります。 - 髄液で細胞増加がみられる。
誤り。iNPHでは、髄液の細胞数や蛋白量は通常正常です。細胞増加がみられる場合、感染や炎症性疾患などの他の原因を疑う必要があります。 - 腰椎-腹腔シャント術が用いられる。
正しい。腰椎-腹腔シャント術(LPシャント)や脳室-腹腔シャント術(VPシャント)は、iNPHの標準的な治療法です。
ワンポイントアドバイス
特発性正常圧水頭症(iNPH)の三主徴:
- 歩行障害:小刻み歩行、歩幅の低下、歩行の安定性欠如。
- 認知機能障害:自発性低下や認知症様症状。
- 尿失禁:初期には切迫性尿失禁、進行すると完全尿失禁。
診断には、頭部MRIやCTでの脳室拡大確認、髄液排出試験(タップテスト)が重要です。治療は主にシャント術が行われ、早期治療が有効です。