悪性症候群の症状はどれか。
- 筋弛緩
- 高血糖
- 高熱
- 徐 脈
- 白血球減少
解答解説
正解は3.高熱です。
悪性症候群(neuroleptic malignant syndrome, NMS)は、抗精神病薬(特にドーパミン受容体遮断薬)や抗パーキンソン病薬の急な中断に伴って発症する、まれですが重篤な副作用です。その主要症状の一つが高熱であり、他にも筋強剛や意識障害、自律神経症状(発汗、頻脈など)がみられます。
各選択肢の解説
- 筋弛緩
誤り。悪性症候群では筋弛緩ではなく、筋強剛(筋肉の異常な硬直)がみられます。 - 高血糖
誤り。高血糖は悪性症候群の典型症状ではありません。ただし、ストレス反応により代謝が亢進することで血糖値が上昇する場合もあります。 - 高熱
正しい。高熱(発熱)は悪性症候群の主要な症状です。体温が急上昇し、重篤な場合は40℃を超えることもあります。 - 徐脈
誤り。悪性症候群では、頻脈や血圧の変動が自律神経症状としてみられます。徐脈は一般的ではありません。 - 白血球減少
誤り。悪性症候群では、むしろ白血球増加がみられることが多いです。これは全身の炎症反応やストレスの結果です。
ワンポイントアドバイス
悪性症候群の診断には以下のポイントが重要です:
- 抗精神病薬の服用歴またはパーキンソン病治療薬の急な中断。
- 主要症状(高熱、筋強剛、意識障害)。
- 自律神経症状(頻脈、発汗、血圧の変動)。
治療の基本:原因薬の中止、対症療法(冷却、輸液管理)、場合によってはダントロレンやブロモクリプチンの使用が推奨されます。