第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題98

回避がみられるのはどれか。

  1. 心気障害
  2. 身体化障害
  3. 強迫性障害
  4. 全般性不安障害
  5. PTSD〈外傷後ストレス障害〉

解答解説

正解は5.PTSD〈外傷後ストレス障害〉です。

PTSD(外傷後ストレス障害)では、トラウマとなった出来事を思い出させる状況や環境を避ける行動(回避)が顕著にみられます。この回避行動は、強い苦痛や再体験を防ぐための防衛反応として現れます。

各選択肢の解説

  1. 心気障害
    誤り。心気障害では、自身の健康状態に対する過剰な不安や思い込みが特徴であり、回避行動は中心的な症状ではありません。
  2. 身体化障害
    誤り。身体化障害は、医学的には説明がつかない多様な身体症状が中心であり、回避行動は主な症状ではありません。
  3. 強迫性障害
    誤り。強迫性障害では、強迫観念やそれに伴う行動(強迫行為)がみられますが、回避行動は中心的な症状ではありません。ただし、特定の状況を避ける場合もあるため、一部似た症状が現れることがあります。
  4. 全般性不安障害
    誤り。全般性不安障害では、広範囲にわたる慢性的な不安が特徴であり、特定の回避行動はあまり見られません。
  5. PTSD〈外傷後ストレス障害〉
    正解。PTSDでは、トラウマとなった出来事を思い出させる状況(場所、人、物事など)を避ける行動が非常に顕著です。この回避行動は、苦痛の軽減を目的としています。

ワンポイントアドバイス

PTSDの主な症状は以下の3つです:

  1. 再体験:トラウマ体験を繰り返し思い出す(フラッシュバック)。
  2. 回避行動:トラウマを連想させる状況や場所を避ける。
  3. 過覚醒:イライラや警戒心の増加、不眠など。

PTSDの治療では、認知行動療法(CBT)やトラウマ焦点化療法、薬物療法が有効です。