双極性障害について正しいのはどれか。
- 男性より女性が多い。
- 単極性うつ病より自殺率が高い。
- 単極性うつ病より有病率が高い。
- 単極性うつ病より発症年齢が高い。
- 単極性うつ病より遺伝素因の関与が低い。
解答解説
正解は2.単極性うつ病より自殺率が高いです。
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す疾患で、疾患の特性上、単極性うつ病(うつ状態のみ)よりも自殺率が高いことが知られています。特に躁状態からの反動や混合状態でリスクが高まります。
各選択肢の解説
- 男性より女性が多い。
誤り。双極性障害は男女差がほとんどないとされています。ただし、双極性Ⅱ型(軽躁とうつ)は女性にやや多い傾向があります。 - 単極性うつ病より自殺率が高い。
正解。双極性障害では、感情の変動が大きいため、自殺リスクが高まります。特に、混合状態や躁状態からうつ状態への移行期が危険です。 - 単極性うつ病より有病率が高い。
誤り。単極性うつ病の方が有病率は高いです。双極性障害の有病率は全人口の約1~2%とされていますが、単極性うつ病はそれよりも高いです。 - 単極性うつ病より発症年齢が高い。
誤り。双極性障害の発症年齢は、単極性うつ病よりも若い傾向があります。典型的には20代前半で発症することが多いです。 - 単極性うつ病より遺伝素因の関与が低い。
誤り。双極性障害は単極性うつ病よりも遺伝的要因が強く関与しています。家族歴がある場合、リスクが高まります。
ワンポイントアドバイス
双極性障害と単極性うつ病の違いを理解するポイント:
- 双極性障害:躁状態とうつ状態が交互に現れる。遺伝的要因が強い。
- 単極性うつ病:うつ状態のみがみられる。環境要因が大きい。
- 自殺リスク:双極性障害では、混合状態や急激な気分変動時に自殺リスクが高まる。
患者の気分変動を把握し、適切な治療(気分安定薬など)を行うことが重要です。