18歳の女子。動作時の足底部の痛みを訴えた。足底腱膜炎の診断で超音波治療を行う。正しいのはどれか。
- 周波数を10 MHzとする。
- 照射強度を10 W/cm²とする。
- 照射時間率を40%照射とする。
- 痛みを訴える場合は照射強度を下げる。
- プローブを5 cm以上、皮膚から離して行う。
解答解説
正解は3. 照射時間率を40%照射とすると4. 痛みを訴える場合は照射強度を下げるです。
超音波治療は、軟部組織の痛みや炎症に対して広く使用される治療法です。足底腱膜炎においては、正確な周波数、強度、照射時間率を設定し、安全かつ効果的に治療を行う必要があります。また、患者が治療中に痛みを訴える場合は、強度を適切に調整することが重要です。
各選択肢の解説
- 周波数を10 MHzとする。
通常、超音波治療に使用する周波数は1 MHzまたは3 MHzです。1 MHzは深部組織、3 MHzは表層組織に使用されます。10 MHzは診断用の超音波に適用されるため、治療目的では不適切です。 - 照射強度を10 W/cm²とする。
通常の超音波治療では、照射強度は0.1~2.0 W/cm²に設定されます。10 W/cm²は非常に高すぎ、組織の損傷や火傷を引き起こす危険性があります。この設定は不適切です。 - 照射時間率を40%照射とする。(正解)
超音波治療では、炎症性疾患や痛みの軽減を目的にパルス照射(断続的に超音波を出力)が行われることが多く、時間率40%(オンタイム40%、オフタイム60%)は一般的な設定です。これは組織への熱蓄積を防ぐため、足底腱膜炎に適した設定と言えます。 - 痛みを訴える場合は照射強度を下げる。(正解)
治療中に患者が痛みを訴える場合、照射強度を低下させることは安全性の確保において非常に重要です。過剰な強度は組織を損傷するリスクがあるため、この対応は適切です。 - プローブを5 cm以上、皮膚から離して行う。
超音波治療では、プローブを皮膚に密着させることが必要です。適切な接触を確保するために、超音波ジェルを用いて音波の伝達を促します。プローブを皮膚から5 cm以上離すと、効果的な治療ができなくなるため、不適切です。
ワンポイントアドバイス
足底腱膜炎の治療で超音波を使用する際は、3 MHzの周波数が表層組織に適しており、パルスモード(40%)での照射が一般的です。治療中は患者の反応を観察し、必要に応じて強度を調整することが安全で効果的な治療の鍵となります。