シナプス前膜の脱分極に続いて軸索終末に流入するのはどれか。
- カルシウムイオン
- ガンマアミノ酪酸
- グルタミン酸
- ナトリウムイオン
- リン酸イオン
解答解説
正解は1. カルシウムイオンです。
シナプス前膜が活動電位によって脱分極すると、電位依存性カルシウムチャネルが開きます。その結果、カルシウムイオン(Ca²⁺)がシナプス前膜の軸索終末内に流入します。このカルシウムイオンは、神経伝達物質を含むシナプス小胞がシナプス前膜と融合するトリガーとなり、神経伝達物質がシナプス間隙に放出されます。
各選択肢の解説
- カルシウムイオン(正解)
電位依存性カルシウムチャネルを通じて流入し、神経伝達物質の放出を引き起こします。この選択肢は正しいです。 - ガンマアミノ酪酸
ガンマアミノ酪酸(GABA)は抑制性の神経伝達物質であり、シナプス後膜に作用します。軸索終末に流入するイオンではありません。この選択肢は誤りです。 - グルタミン酸
グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質であり、シナプス後膜に作用します。軸索終末に流入するイオンではありません。この選択肢は誤りです。 - ナトリウムイオン
ナトリウムイオン(Na⁺)は脱分極を引き起こす際に膜内に流入しますが、軸索終末での神経伝達物質放出のトリガーではありません。この選択肢は誤りです。 - リン酸イオン
リン酸イオンは神経伝達物質放出や脱分極には関与しません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
神経伝達物質の放出過程では、以下の流れを押さえておきましょう:
- 活動電位の到達によるシナプス前膜の脱分極。
- 電位依存性カルシウムチャネルの開口によるカルシウムイオン(Ca²⁺)の流入。
- シナプス小胞の膜融合と神経伝達物質の放出。
これらを理解しておくと、神経伝達のメカニズムが試験で問われた際に役立ちます。