第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題100

てんかんについて正しいのはどれか。

  1. 女性に多い。
  2. 単純部分発作は意識障害を伴わない。
  3. 高齢になるとてんかんの発症率は低下する。
  4. 熱性けいれんの半数以上はてんかんに移行する。
  5. 症候性てんかんは特発性てんかんに比べ予後が良い。

解答解説

正解は2.単純部分発作は意識障害を伴わないです。
単純部分発作(局所性発作)は、特定の脳部位で起こる発作であり、意識障害を伴わない点が特徴です。一方、複雑部分発作では意識障害を伴います。

選択肢の解説

  1. 女性に多い。
    てんかんは性差に大きな偏りはなく、男女ともに発症率はほぼ同じです。この選択肢は誤りです。
  2. 単純部分発作は意識障害を伴わない。
    単純部分発作では発作中も意識が保たれています。これは複雑部分発作との重要な鑑別点です。この選択肢が正しいです。
  3. 高齢になるとてんかんの発症率は低下する。
    高齢者では脳血管障害や認知症などによりてんかんの発症率が増加します。高齢になると発症率が低下するという記述は誤りです。この選択肢は誤りです。
  4. 熱性けいれんの半数以上はてんかんに移行する。
    熱性けいれんの大部分は自然に治癒し、てんかんに移行するのは約2~3%とされています。半数以上が移行するわけではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 症候性てんかんは特発性てんかんに比べ予後が良い。
    症候性てんかんは、基礎疾患や脳の器質的病変に起因するため、特発性てんかんに比べて予後が悪い場合が多いです。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

てんかんの分類では、単純部分発作と複雑部分発作の違い(意識障害の有無)が重要です。また、高齢者の発症が増加していることや、熱性けいれんとてんかんの移行率に関する誤解に注意しましょう。症候性てんかんの予後は基礎疾患に依存するため、これも覚えておくべきポイントです。