第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題96

我が国の65歳以上の高齢者における軽度認知障害〈MCI〉の有病率として適切なのはどれか。

  1. 5%
  2. 15%
  3. 35%
  4. 50%
  5. 70%

解答解説

正解は2.15%です。
我が国における65歳以上の高齢者の軽度認知障害(MCI)の有病率は約15%とされています。MCIは認知機能の低下があるものの、日常生活に大きな支障をきたさない状態を指し、アルツハイマー型認知症などへの進行リスクが高いことが特徴です。

選択肢の解説

  1. 5%
    5%は有病率として低すぎる値であり、MCIの実際の有病率を反映していません。この選択肢は誤りです。
  2. 15%
    MCIの有病率は高齢者人口の約15%とされ、アルツハイマー型認知症の前段階として注目されています。この選択肢が正しいです。
  3. 35%
    35%は有病率として過大な値です。実際のMCIの有病率は15%程度とされています。この選択肢は誤りです。
  4. 50%
    50%は有病率として非常に高すぎます。認知症とMCIを合わせた割合でもこの値には達しません。この選択肢は誤りです。
  5. 70%
    70%は全高齢者の有病率としては過剰な値であり、実際の統計を大きく超えています。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

MCIは認知症の前段階として重要視されており、早期発見と介入が進行を遅らせる鍵となります。MCIの診断には記憶障害が中心かどうか(amnestic MCI)を確認することが重要で、これがアルツハイマー型認知症への進行リスクを高めるとされています。