第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題97

知的障害がみられうる疾患の中で、皮膚色素沈着(カフェオレ斑)が特徴的なのはどれか。

  1. 結節性硬化症
  2. 神経線維腫症
  3. ネコ鳴き症候群
  4. Williams症候群
  5. Prader-Willi症候群

解答解説

正解は2.神経線維腫症です。
神経線維腫症(NF1、レックリングハウゼン病)は、カフェオレ斑と呼ばれる特徴的な皮膚の色素沈着や皮膚腫瘤を伴う疾患です。これらの症状は神経線維腫症の診断において重要な所見です。知的障害が見られる場合もあります。

選択肢の解説

  1. 結節性硬化症
    結節性硬化症では、葉状白斑や皮脂腺腫(顔面に現れる赤色丘疹)が特徴的です。カフェオレ斑は診断の特徴には含まれません。この選択肢は誤りです。
  2. 神経線維腫症
    神経線維腫症(NF1)では、6個以上のカフェオレ斑(直径5mm以上、思春期後は15mm以上)が診断基準の一つとされています。また、皮膚腫瘤や虹彩のリッシュ結節も特徴的です。この選択肢が正しいです。
  3. ネコ鳴き症候群
    ネコ鳴き症候群(5p欠失症候群)は、特徴的な甲高い鳴き声や成長障害、知的障害が見られますが、皮膚色素沈着は特徴ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. Williams症候群
    Williams症候群は、独特な顔貌(エルフ様顔貌)や知的障害、血管疾患(大動脈弓狭窄など)が特徴です。カフェオレ斑は見られません。この選択肢は誤りです。
  5. Prader-Willi症候群
    Prader-Willi症候群は、筋緊張低下、過食、肥満、知的障害が特徴です。皮膚色素沈着やカフェオレ斑は特徴的ではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

神経線維腫症(NF1)の診断では、カフェオレ斑の他に、皮膚腫瘤、虹彩のリッシュ結節、骨病変(脊柱側弯や長骨の偽関節)が重要な診断基準です。カフェオレ斑は他の疾患でも見られることがありますが、NF1ではその数や大きさが診断の決め手となります。