筋収縮で正しいのはどれか。
1.神経筋接合部の伝達物質はノルアドレナリンである。
2.カルシウムイオンが筋小胞体内に取り込まれる。
3.神経支配比はそれぞれの筋で異なる。
4.エネルギー源はADPである。
5.A帯が短縮する。
解答解説
正解は 3.神経支配比はそれぞれの筋で異なる です。
- 神経支配比とは、1本の運動ニューロンが支配する筋繊維の数のことです。この支配比は筋によって異なり、細かい動作を行う筋(例:眼や手指の筋)では支配比が小さく、力が必要な筋(例:大腿四頭筋)では支配比が大きくなります。筋収縮において、筋の役割に応じて神経支配比が異なることは重要な特徴です。
選択肢の解説
- 神経筋接合部の伝達物質はノルアドレナリンである
誤りです。神経筋接合部での伝達物質はアセチルコリンです。ノルアドレナリンは交感神経の一部で使われる伝達物質ですが、筋収縮に関わる神経筋接合部では使用されません。 - カルシウムイオンが筋小胞体内に取り込まれる
誤りです。筋収縮時にはカルシウムイオンが筋小胞体から細胞質に放出され、筋小胞体に再取り込みされることで筋収縮が終了します。筋収縮開始にはカルシウムが細胞質に放出されることが必要です。 - エネルギー源はADPである
誤りです。筋収縮のエネルギー源はATP(アデノシン三リン酸)です。ATPが分解されることでエネルギーが供給され、これが筋収縮に利用されます。 - A帯が短縮する
誤りです。筋収縮の際にはA帯の長さは変わらず、H帯とI帯が短縮します。A帯はミオシンフィラメントの長さに相当する部分であり、筋収縮によって短縮しません。
ワンポイントアドバイス
筋収縮のメカニズムにおいて、神経筋接合部での伝達物質はアセチルコリン、エネルギー源はATPです。また、筋収縮時にはA帯は変化せず、I帯とH帯が短縮することを覚えておくと、筋収縮に関する問題で役立ちます。