第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題6

図のように検者が脛骨内縁をこすりおろす検査を実施した。

該当する病的反射はどれか。

1. Babinski 反射
2. Chaddock 反射
3. Gonda 反射
4. Gordon 反射
5. Oppenheim 反射

解答解説

正解は 5. Oppenheim反射 です。

解説

Oppenheim反射は、上位運動ニューロン障害を示唆する病的反射の一つです。この反射は、検者が脛骨内縁を指で下方に強くこすりおろすことで誘発されます。陽性反応として、母趾が背屈し、他の足趾が扇状に開く反応が見られます。図のように脛骨内縁をこすりおろす操作は、Oppenheim反射の誘発方法に該当します。

各選択肢の解説

  1. Babinski反射
    Babinski反射も上位運動ニューロン障害を示す病的反射です。足の外側縁をかかとからつま先方向にこすることで誘発され、陽性の場合、母趾が背屈し、他の足趾が開きます。しかし、刺激部位が脛骨内縁ではないため、本問には該当しません。
  2. Chaddock反射
    Chaddock反射も病的反射の一つで、足の上外側縁をこすることで誘発されます。外果(足関節の外側)周囲を刺激すると母趾が背屈します。脛骨内縁を刺激するOppenheim反射とは異なる手法で誘発するため、本問には該当しません。
  3. Gonda反射
    Gonda反射は足の指を使用する病的反射で、第4趾を下方に押し、急に離すと母趾が背屈する反応です。脛骨内縁をこする操作とは異なるため、本問には該当しません。
  4. Gordon反射
    Gordon反射はふくらはぎ(腓腹筋)をつかんで圧迫すると母趾が背屈する反応です。脛骨内縁を刺激するOppenheim反射とは異なる部位への刺激であり、本問には該当しません。
  5. Oppenheim反射
    Oppenheim反射は、脛骨内縁をこすりおろす操作で誘発される病的反射です。母趾が背屈し、他の足趾が開く陽性反応が見られるため、本問の条件に合致しています。

ワンポイントアドバイス

病的反射は上位運動ニューロン障害を示す重要な徴候であり、反射を誘発する刺激部位や方法が異なることを理解しておくことが大切です。代表的な病的反射には、Babinski反射やOppenheim反射、Chaddock反射などがあり、それぞれ刺激部位が異なるため、試験での区別が重要です。