第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題93

COPDについて正しいのはどれか。

  1. 肺癌を合併することは稀である。
  2. 安静時エネルギー消費量が減少している。
  3. 増悪時の補助換気療法は非侵襲的陽圧換気〈NPPV〉が用いられる。
  4. 呼吸リハビリテーションを行っても抑うつ・不安の改善は得られない。
  5. COPD assessment test(CAT)は点数が高いほどQOLが高いことを示す。

解答解説

正解は3.増悪時の補助換気療法は非侵襲的陽圧換気〈NPPV〉が用いられるです。
COPDの増悪時には、呼吸不全を改善するためにNPPV(非侵襲的陽圧換気)が適応されることがあります。NPPVは、気管挿管を回避しながら換気補助を行い、酸素化を改善します。

選択肢の解説

  1. 肺癌を合併することは稀である。
    COPD患者では、喫煙が共通のリスク因子であるため、肺癌を合併するリスクが高いです。この選択肢は誤りです。
  2. 安静時エネルギー消費量が減少している。
    COPDでは呼吸筋の負担が増加し、安静時エネルギー消費量(REE)がむしろ増加します。この選択肢は誤りです。
  3. 増悪時の補助換気療法は非侵襲的陽圧換気〈NPPV〉が用いられる。
    NPPVは、呼吸困難の改善や酸素化の向上を図るため、COPDの増悪時に広く使用されます。この選択肢が正しいです。
  4. 呼吸リハビリテーションを行っても抑うつ・不安の改善は得られない。
    呼吸リハビリテーションは、身体機能の向上だけでなく、抑うつや不安の改善にも効果があります。この選択肢は誤りです。
  5. COPD assessment test(CAT)は点数が高いほどQOLが高いことを示す。
    CATスコアは、点数が高いほど症状の悪化やQOLの低下を示します。逆に、低い点数が良好な状態を示します。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

COPDは慢性進行性の疾患で、肺癌との関連や高い安静時エネルギー消費量が特徴です。また、CATスコアはCOPDの管理に重要な指標です。リハビリテーションは身体機能だけでなく心理的状態の改善にも役立つため、多面的な介入の重要性を理解しておきましょう。