第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題84

切断について正しいのはどれか。

  1. 上腕切断短断端では肩内転拘縮を生じやすい。
  2. 前腕切断中断端では肘伸展拘縮を生じやすい。
  3. Chopart関節離断では足内反変形を生じやすい。
  4. Lisfranc関節離断では足外反変形を生じやすい。
  5. 大腿切断標準切断では股内転拘縮を生じやすい。

解答解説

正解は3.Chopart関節離断では足内反変形を生じやすいです。
Chopart関節離断は足の前部を切断する手術であり、後脛骨筋や腓腹筋などの筋バランスが崩れるため、足内反変形を生じやすくなります。この変形は、装具による適切な管理が必要です。

選択肢の解説

  1. 上腕切断短断端では肩内転拘縮を生じやすい。
    上腕切断では肩関節の運動範囲が制限されやすいですが、内転拘縮よりも屈曲拘縮が一般的に生じやすいです。この選択肢は誤りです。
  2. 前腕切断中断端では肘伸展拘縮を生じやすい。
    前腕切断では肘関節が長時間屈曲位になることが多く、むしろ屈曲拘縮が生じやすいです。この選択肢は誤りです。
  3. Chopart関節離断では足内反変形を生じやすい。
    Chopart関節離断では、後脛骨筋や腓腹筋の作用が優位になり、足内反変形が生じやすくなります。この選択肢が正しいです。
  4. Lisfranc関節離断では足外反変形を生じやすい。
    Lisfranc関節離断では内反変形が生じやすいです。外反変形は一般的にはみられません。この選択肢は誤りです。
  5. 大腿切断標準切断では股内転拘縮を生じやすい。
    大腿切断では股関節の屈曲拘縮や外転拘縮が生じやすいです。内転拘縮は典型的ではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

切断後の拘縮や変形は、切断部位と周囲の筋バランスの影響を受けます。特にChopart関節離断では足内反変形が特徴的であり、装具の適応やリハビリが重要です。各切断部位に特徴的な変形や拘縮を覚えておくと、実際の評価や治療に役立ちます。