松葉杖の使用について正しいのはどれか。
- ロフストランド杖より歩行時に体幹を伸展位に保持しやすい。
- 腋窩と脇当ては〜cm程度の距離を設ける。
- 肘関節完全伸展位で握りを把持する。
- 階段昇段時は杖を先に出す。
- T字杖よりも免荷が少ない。
解答解説
正解は2.腋窩と脇当ては〜cm程度の距離を設けるです。
松葉杖の適切な使用法では、脇当てが腋窩に直接接触しないよう、約2〜3cmの間隔を空けることが重要です。これにより、腋窩神経の圧迫を防ぎます。
選択肢の解説
- ロフストランド杖より歩行時に体幹を伸展位に保持しやすい。
ロフストランド杖(前腕支持型杖)は松葉杖よりも軽量で、体幹の自由度が高いため、体幹を伸展位に保持しやすい傾向があります。この選択肢は誤りです。 - 腋窩と脇当ては〜cm程度の距離を設ける。
脇当ては腋窩から約2〜3cmの間隔を保ちます。この間隔により、腋窩神経や血管が圧迫されるのを防ぎ、安全に使用できます。この選択肢が正解です。 - 肘関節完全伸展位で握りを把持する。
松葉杖を使用する際には、肘関節は軽度屈曲(約20〜30°)した状態で握るのが適切です。完全伸展位では腕に過剰な負担がかかります。この選択肢は誤りです。 - 階段昇段時は杖を先に出す。
階段を上る際には、「健側の足」を先に出し、その後に杖と患側を動かすのが基本です。杖を先に出すのは降段時の動作です。この選択肢は誤りです。 - T字杖よりも免荷が少ない。
松葉杖はT字杖よりも上肢で体重を支える部分が多く、免荷効果が高いです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
松葉杖の適切な使用法を覚えるポイント:
- 脇当ての位置:腋窩から2〜3cmの間隔を空ける。
- 肘関節:握りを持つ際に20〜30°屈曲させる。
- 階段昇降:「上るときは健側から」「下るときは杖から」の原則を守る。
安全な使用法を理解し、神経圧迫や負担を軽減できるように指導することが重要です。