第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題80

認知療法を発展させたのは誰か。

  1. A. Beck
  2. S. Freud
  3. C. Rogers
  4. H. Eysenck
  5. H. Sullivan

解答解説

正解は1.A. Beckです。
認知療法は、アーロン・ベック(Aaron Beck)によって発展されました。この療法は、認知の歪みが感情や行動に影響を与えるという考えに基づいており、患者の非合理的な思考パターンを特定し、それを修正することを目指します。うつ病や不安障害の治療に広く用いられています。

選択肢の解説

  1. A. Beck
    アーロン・ベックは認知療法を発展させた心理学者で、思考や信念の歪みを修正する技法を開発しました。この選択肢が正しいです。
  2. S. Freud
    ジークムント・フロイトは精神分析の創始者であり、無意識や防衛機制などの理論を提唱しましたが、認知療法には関与していません。この選択肢は誤りです。
  3. C. Rogers
    カール・ロジャーズはクライアント中心療法を提唱した心理学者で、認知療法とは異なります。彼のアプローチは、共感的理解や自己実現を重視しています。この選択肢は誤りです。
  4. H. Eysenck
    ハンス・アイゼンクは性格理論や行動療法の研究で知られる心理学者で、認知療法の発展には直接関わっていません。この選択肢は誤りです。
  5. H. Sullivan
    ハリー・サリヴァンは対人関係療法(IPT)の理論を構築した心理学者であり、認知療法には関与していません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

認知療法は、思考の歪みと感情・行動の関係を修正することで、精神的な健康を改善します。アーロン・ベックが提唱した認知療法は、その後、行動療法と統合されて認知行動療法(CBT)へと発展しました。治療法の基礎を理解する際には、その創始者と特徴をセットで覚えましょう。