第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題79

イラスト風に描かれた人物のセリフを書き込む形式の心理検査はどれか。

  1. SCT
  2. P-Fスタディ
  3. バウムテスト
  4. モーズレイ性格検査〈MPI〉
  5. Revised NEO Personality Inventory〈NEO-PI-R〉

解答解説

正解は2.P-Fスタディです。
P-Fスタディ(絵画欲求不満テスト)は、イラスト風に描かれた人物の一方がセリフを発している場面に、もう一方のセリフを書き込むことで、その人の反応パターンや欲求不満への対応スタイルを測定する投影法の心理検査です。この検査は、被検者の対人関係や葛藤の処理方法を分析するために用いられます。

選択肢の解説

  1. SCT(文章完成法テスト)
    SCTは未完成の文章を補完する形式の検査です。文章の完成内容から、被検者の思考傾向や価値観を評価しますが、イラストを使用しません。この選択肢は誤りです。
  2. P-Fスタディ
    P-Fスタディは、イラストに描かれた人物同士のやり取りを完成させる形式で行われます。被検者の欲求不満への反応や社会的態度を評価する検査です。この選択肢が正しいです。
  3. バウムテスト
    バウムテストは、木を描かせる描画法の検査であり、イラストやセリフの記入は含まれません。主にパーソナリティや心理状態を評価します。この選択肢は誤りです。
  4. モーズレイ性格検査〈MPI〉
    MPIは質問紙法の性格検査であり、外向性や神経症傾向を評価します。イラストやセリフ記入は含まれません。この選択肢は誤りです。
  5. Revised NEO Personality Inventory〈NEO-PI-R〉
    NEO-PI-Rも質問紙法であり、ビッグファイブ(外向性、神経症傾向、開放性、誠実性、協調性)を評価します。イラストやセリフ記入は含まれません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

投影法検査には、被検者の内面や無意識を反映する特徴があります。P-Fスタディは、欲求不満への反応を具体的に知るための手法として優れています。SCTやバウムテストとの違いを理解し、どの検査がどの目的に適しているかを整理して覚えましょう。