第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題68

副腎皮質ホルモンについて正しいのはどれか。

  1. 血糖値に影響しない。
  2. ストレス時に変動しない。
  3. 早朝に分泌が最大となる。
  4. ペプチドホルモンである。
  5. アドレナリンから生合成される。

解答解説

正解は3.早朝に分泌が最大となるです。
副腎皮質ホルモン(主にコルチゾール)は日内リズムに従い、早朝に分泌が最大となり、夜間に低下します。また、ストレスによっても分泌量が増加します。このホルモンは血糖値や免疫機能の調節に重要な役割を果たします。

選択肢の解説

  1. 血糖値に影響しない。
    副腎皮質ホルモンの1つであるコルチゾールは、糖新生を促進することで血糖値を上昇させます。この選択肢は誤りです。
  2. ストレス時に変動しない。
    コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、ストレス時にはその分泌量が増加します。この選択肢は誤りです。
  3. 早朝に分泌が最大となる。
    コルチゾールは日内リズムに従い、早朝に最も高く、夜間に最も低くなります。この特性は、生理学的にも診断的にも重要です。この選択肢は正しいです。
  4. ペプチドホルモンである。
    副腎皮質ホルモンはステロイドホルモンであり、ペプチドホルモンではありません。この選択肢は誤りです。
  5. アドレナリンから生合成される。
    副腎皮質ホルモンはコレステロールから合成され、アドレナリンは副腎髄質で作られるカテコールアミンであり、異なる経路で生合成されます。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

副腎皮質ホルモンには、糖質コルチコイド(コルチゾール)、鉱質コルチコイド(アルドステロン)、性ホルモン(アンドロゲンなど)の3種類があります。それぞれの作用と分泌調節(特に日内リズムやストレスの影響)をセットで覚えると効果的です。