第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題83

ASIAの評価法における脊髄の髄節とその感覚支配領域検査ポイントの組合せで正しいのはどれか。

  1. C5――鎖骨上窩
  2. T4――乳 頭
  3. T12――臍
  4. L3――鼠径靱帯
  5. S4――膝 窩

解答解説

正解は2.T4――乳頭です。

ASIA(American Spinal Injury Association)の評価法では、脊髄損傷のレベルを判定するために感覚支配領域(皮膚分節)の検査ポイントが重要です。T4は乳頭の高さを示す典型的なポイントであり、ASIA評価における標準的な部位とされています。

選択肢の解説

  1. C5――鎖骨上窩
    鎖骨上窩はC3~C4の支配領域に該当します。C5の感覚検査ポイントは三角筋上部(肩の外側)です。この選択肢は誤りです。
  2. T4――乳頭
    T4の感覚検査ポイントは乳頭の高さであり、ASIA評価で広く認められています。この選択肢が正解です。
  3. T12――臍
    臍(へそ)はT10の感覚支配領域です。T12は臍よりも下部、腸骨稜付近に対応します。この選択肢は誤りです。
  4. L3――鼠径靱帯
    鼠径靱帯はL1~L2の感覚支配領域です。L3の感覚検査ポイントは大腿前面の中央部に該当します。この選択肢は誤りです。
  5. S4――膝窩
    膝窩はS2に対応します。S4の感覚支配領域は肛門周囲(会陰部)です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

脊髄髄節と感覚支配領域の代表的なポイントを覚えましょう:

  • C5:肩の外側(上腕外側部)。
  • T4:乳頭の高さ。
  • T10:臍(へそ)の高さ。
  • L3:大腿前面中央部。
  • S4:肛門周囲。
    ASIA評価ではこれらの感覚ポイントを正確に理解することが重要です。覚え方として、体のランドマーク(乳頭、臍、鼠径部など)を基準に整理すると良いでしょう。