第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題21

対応があり正規分布を示さない連続変数の 2 群間の差を検討するのはどれか。

1.Paired-t 検定
2.一元配置分散分析
3.Kruskal-Wallis 検定
4.Mann-Whitney の U 検定
5.Wilcoxon 符号付順位検定

解答解説

正解は 5.Wilcoxon 符号付順位検定 です。

  • Wilcoxon符号付順位検定
    Wilcoxon符号付順位検定は、対応のある2群間で正規分布を示さない連続変数の差を比較するための非パラメトリック検定です。この検定は、2群のデータが対応している場合(例えば、同一対象の前後比較)に使用され、分布が正規分布を示さない場合でも利用可能です。

選択肢の解説

  1. Paired-t 検定
    Paired-t検定は、対応のある2群間での差を検定するための方法ですが、データが正規分布に従っていることが前提です。正規分布を示さない場合には適していません。
  2. 一元配置分散分析
    一元配置分散分析は、3群以上の平均の差を検定するための方法で、2群間の差を検討するものではありません。また、分布が正規であることが前提です。
  3. Kruskal-Wallis 検定
    Kruskal-Wallis検定は、3群以上の非対応のデータの差を比較するための非パラメトリック検定です。対応のある2群間の比較には適しません。
  4. Mann-Whitney の U 検定
    Mann-WhitneyのU検定は、非対応の2群間で正規分布を示さないデータの差を検定するための非パラメトリック検定です。対応のある2群間の比較には適していません。
  5. Wilcoxon 符号付順位検定
    正解です。Wilcoxon符号付順位検定は、対応のある2群間で正規分布を示さない連続変数の差を検定するために使用されます。

ワンポイントアドバイス

対応のある2群間で正規分布を示さないデータを比較する場合は、Wilcoxon符号付順位検定が適しています。対応のない場合にはMann-WhitneyのU検定を使うなど、データの性質や対応の有無に応じて適切な検定方法を選択することが重要です。