第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題60

体細胞分裂の開始に関わる細胞内小器官はどれか。

  1. 核小体
  2. 小胞体
  3. 中心小体
  4. Golgi装置
  5. ミトコンドリア

解答解説

正解は「3」です。

中心小体(centrioles)は、細胞分裂の開始時に重要な役割を果たします。中心小体は微小管を形成し、紡錘体の形成や染色体の分配に関与します。これにより、娘細胞に正確に染色体が分配されます。細胞周期のM期(分裂期)において、中心小体が紡錘体の組織化を担うため、体細胞分裂の開始には不可欠です。

選択肢ごとの解説

  1. 核小体
    核小体はリボソームの構築に関与しますが、体細胞分裂の直接的な開始には関与しません。分裂期には核小体が一時的に消失します。
  2. 小胞体
    小胞体はタンパク質の合成や輸送に関与しますが、体細胞分裂の開始には直接関与しません。
  3. 中心小体
    正解です。 中心小体は体細胞分裂において微小管を形成し、紡錘体を構築することで染色体の分配を制御します。
  4. Golgi装置
    Golgi装置は、細胞内での物質の修飾や輸送に関与しますが、体細胞分裂の開始には関与しません。
  5. ミトコンドリア
    ミトコンドリアはエネルギー産生(ATP生成)に関与しますが、体細胞分裂の開始に直接的な役割はありません。

ワンポイントアドバイス

体細胞分裂の開始において重要なのは、中心小体と微小管の働きです。特に紡錘体の形成が分裂期の進行に不可欠である点を理解しておきましょう。試験対策として、細胞内小器官の役割を整理し、それぞれの機能と分裂への関与を明確に覚えることが重要です。