第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題56

心臓について正しいのはどれか。

  1. 僧帽弁は三尖弁である。
  2. 冠静脈洞は右心房に開口する。
  3. 大動脈弁には腱索が付着する。
  4. 冠動脈は大動脈弓から分岐する。
  5. 右冠動脈は前下行枝と回旋枝に分かれる。

解答解説

正解は2.冠静脈洞は右心房に開口する。です。
冠静脈洞は心臓の静脈血を集める構造で、右心房に開口します。この部位は心臓の血液循環において重要な役割を果たします。心臓の構造や血液循環の経路は基本的な知識として確実に押さえておきましょう。

選択肢の解説

  1. 1. 僧帽弁は三尖弁である。
    僧帽弁は左心房と左心室の間に位置する2尖弁であり、三尖弁は右心房と右心室の間に位置する3尖弁です。この2つは異なる構造を持つため、この選択肢は誤りです。
  2. 冠静脈洞は右心房に開口する。
    冠静脈洞は心臓の静脈血を集める主要な静脈で、右心房に開口します。この血液は右心房に戻され、肺循環へ送られます。この選択肢は正しいです。
  3. 大動脈弁には腱索が付着する。
    腱索は僧帽弁や三尖弁などの房室弁に付着し、弁の逆流を防ぎます。一方、大動脈弁や肺動脈弁のような動脈弁には腱索は付着しません。この選択肢は誤りです。
  4. 冠動脈は大動脈弓から分岐する。
    冠動脈は大動脈弓ではなく、大動脈の基部である「大動脈洞」から分岐します。この選択肢も誤りです。
  5. 右冠動脈は前下行枝と回旋枝に分かれる。
    前下行枝と回旋枝は左冠動脈の枝です。右冠動脈はこれらの枝とは関係がありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

心臓の解剖を理解する際は、弁の位置関係、冠動脈や静脈の開口部、血流の流れを整理して覚えることが重要です。特に、冠静脈洞が右心房に開口する点は、静脈系の血流経路として頻出の知識です。