上大静脈と下大静脈とを結ぶ静脈はどれか。
- 奇静脈
- 鎖骨下静脈
- 上腸管膜静脈
- 腎静脈
- 脾静脈
解答解説
正解は1.奇静脈です。
奇静脈(きせいみゃく)は上大静脈と下大静脈を結ぶ静脈系で、胸腔後方に位置します。この静脈は体壁の静脈血を運ぶ重要な役割を果たしており、左右の対称性が崩れる解剖学的特徴を持っています。
選択肢の解説
- 1. 奇静脈
奇静脈は胸腔内を走行し、下大静脈から受け取った血液を上大静脈に注ぐ重要な静脈です。特に胸壁や背部からの静脈血を集める役割があり、上大静脈と下大静脈を結ぶ構造として機能します。この選択肢が正しいです。 - 鎖骨下静脈
鎖骨下静脈は上肢や頭部の静脈血を集め、腕頭静脈を経由して上大静脈に流入します。しかし、下大静脈とは直接的に関与しません。この選択肢は誤りです。 - 上腸管膜静脈
上腸管膜静脈は腸からの静脈血を集めて門脈を形成します。門脈系であり、上大静脈や下大静脈には関与しません。この選択肢は誤りです。 - 腎静脈
腎静脈は腎臓からの静脈血を下大静脈に流入させますが、上大静脈とは関係がありません。この選択肢も誤りです。 - 脾静脈
脾静脈は脾臓からの静脈血を集め、上腸管膜静脈と合流して門脈を形成します。門脈系に属し、上大静脈や下大静脈を直接結ぶものではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
奇静脈は、胸腔内における血流のバイパス路として重要です。特に、下大静脈が閉塞した場合でも、奇静脈が代償路として働き得る点は臨床的にも重要です。胸壁や背部の静脈系と関連付けて覚えると理解しやすくなります。