第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題50

疾患と支援機器の組合せで適切なのはどれか。

  1. 関節リウマチ       台付き爪切り
  2. 片側手関節離断      プルトップオープナー
  3. 第2腰髄完全損傷      スライディングボード
  4. 第8頸髄完全損傷      コミュニケーションエイド
  5. アテトーゼ型脳性麻痺   リーチャー

解答解説

正解は1. 関節リウマチ台付き爪切りです。

関節リウマチは、手指の関節が腫れたり変形したりすることで、握力や細かい作業の能力が低下する疾患です。このような患者にとって、台付き爪切りは握力をあまり必要とせず、安全に爪を切ることができる支援機器として適切です。

各選択肢の解説

  1. 関節リウマチ台付き爪切り(正解)
    関節リウマチによる手指の変形や機能低下を補助するために、台付き爪切りが有効です。この機器を使用することで、爪切りに必要な握力を軽減できます。この選択肢は正解です。
  2. 片側手関節離断プルトップオープナー
    片側手関節離断では、片手で使えるように設計されたオープナーが適していますが、プルトップオープナーは一般に手指が健全な片手で使用するものです。片手が離断されている場合には、この機器は不十分です。この選択肢は誤りです。
  3. 第2腰髄完全損傷スライディングボード
    第2腰髄完全損傷(L2)は、下肢に麻痺があり車椅子生活となる場合が多いですが、腕の機能は保たれています。スライディングボードは体幹や腕の機能が十分でない場合に適応されるため、この組み合わせは適切ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 第8頸髄完全損傷コミュニケーションエイド
    第8頸髄完全損傷(C8)では、手指の把持がある程度可能で、手書きやタッチ操作などができることがあります。コミュニケーションエイドは、高位の頸髄損傷(C4以下)や運動能力が著しく低下している場合に適応されるため、この選択肢は適切ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. アテトーゼ型脳性麻痺リーチャー
    アテトーゼ型脳性麻痺では、無意識の不随意運動が特徴であり、リーチャー(物を掴む補助具)の操作が困難な場合が多いです。適切な支援機器は、無意識の運動を補うような安定性のある装具や補助具です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

疾患や障害に応じた支援機器の適応を理解する際は、以下の点を考慮しましょう:

  • 疾患の特徴:どの部分が障害されるのか。
  • 支援機器の目的:どの動作を補助するものか。
    適切な支援機器を選択することで、患者の生活の質が大きく向上します。