正常歩行について正しいのはどれか。
- 足関節は1歩行周期に背屈と底屈とが2回生じる。
- 股関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが2回生じる。
- 膝関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが1回生じる。
- 一側下肢の立脚相と遊脚相の割合は7:3である。
- 高齢者では歩行比が大きくなる。
解答解説
正解は1です。
足関節は正常歩行において、1歩行周期中に背屈と底屈が2回ずつ生じます。立脚相後半では底屈、遊脚相初期では背屈が起こり、前方への重心移動を効率的に行います。
各選択肢の解説
- 足関節は1歩行周期に背屈と底屈とが2回生じる。(正解)
正しい選択肢です。歩行周期において、足関節の背屈と底屈は2回ずつ生じます。
- 背屈:遊脚相中期および立脚相の後半。
- 底屈:立脚相終期および初期接地直後。
- 股関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが2回生じる。
股関節の伸展と屈曲は1歩行周期にそれぞれ1回ずつしか生じません。立脚相では伸展し、遊脚相では屈曲します。この選択肢は誤りです。 - 膝関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが1回生じる。
膝関節の屈曲と伸展は1歩行周期中に2回ずつ生じます。立脚相中期と遊脚相中期での動きが含まれるため、この選択肢は誤りです。 - 一側下肢の立脚相と遊脚相の割合は7:3である。
正常歩行では立脚相と遊脚相の割合は約6:4です。この選択肢は誤りです。 - 高齢者では歩行比が大きくなる。
歩行比(歩幅÷歩行周期)は、高齢者では小さくなる傾向があります。これは歩幅が短くなり、歩行周期が延長するためです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
歩行周期(1歩行周期=立脚相+遊脚相)の特徴を覚えることが重要です:
- 立脚相:全周期の約60%を占め、足が地面についているフェーズ。
- 遊脚相:全周期の約40%を占め、足が地面から離れているフェーズ。
- 各関節の動き(背屈、底屈、屈曲、伸展)を時期ごとに整理して覚えると理解が深まります。