第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題36

高齢者において好ましい変化はどれか。

  1. BMI: 22.6 → 17.0
  2. FBS(点): 42 → 52
  3. TUG(秒): 14.2 → 20.2
  4. MMSE(点): 25 → 20
  5. 基本チェックリスト(該当数): 4項目 → 10項目

解答解説

正解は2. FBS(点): 42 → 52です。

FBS(Functional Balance Scale)はバランス機能を評価する指標で、点数が高いほどバランス能力が良好であることを示します。この患者では、FBSが42点から52点に改善しており、高齢者にとって好ましい変化です。

各選択肢の解説

  1. BMI: 22.6 → 17.0
    BMIが22.6から17.0に低下しており、これは低栄養状態を示唆します。高齢者においてBMIが低すぎるとサルコペニアやフレイルのリスクが高まり、好ましくありません。この選択肢は誤りです。
  2. FBS(点): 42 → 52(正解)
    FBSが42点から52点に改善しており、バランス機能が向上しています。高齢者にとってバランス能力の改善は転倒予防や歩行能力の向上に寄与するため、好ましい変化です。この選択肢は正解です。
  3. TUG(秒): 14.2 → 20.2
    TUG(Timed Up and Go Test)の時間が14.2秒から20.2秒に延長しています。TUGは時間が短いほど機能的移動能力が高いことを示します。時間が延長しているのは機能の低下を意味し、好ましい変化ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. MMSE(点): 25 → 20
    MMSE(Mini-Mental State Examination)は認知機能を評価する検査で、スコアが低下すると認知機能の低下を示します。この患者では25点から20点に減少しており、好ましい変化ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 基本チェックリスト(該当数): 4項目 → 10項目
    基本チェックリストは、フレイルや要介護リスクの指標で、該当数が増えるほど機能低下やリスクが高いことを示します。この患者では該当数が増加しており、好ましくない変化です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

高齢者の評価では、バランス機能(FBSやTUG)や認知機能(MMSE)、栄養状態(BMI)が重要な指標です。点数や数値の変化が身体機能や健康状態の向上を示すかどうかを適切に判断できるようにしておきましょう。