感染予防の標準予防策(standard precautions)について正しいのはどれか。
- 感染症患者のみに対して日常的に実施されるべき感染対策である。
- 歩行練習中に患者が出血した場合は手袋をして対処する。
- 屋外での歩行練習では感染予防対策は不要である。
- 血圧測定を行う前の手指衛生は不要である。
- マスクはN95を使用する。
解答解説
正解は2. 歩行練習中に患者が出血した場合は手袋をして対処するです。
標準予防策(standard precautions)は、すべての患者に適用される感染予防対策であり、感染の有無に関わらず、体液や血液、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚に触れる可能性がある場合には、適切な個人防護具(手袋やマスクなど)を使用することが求められます。
各選択肢の解説
- 感染症患者のみに対して日常的に実施されるべき感染対策である。
標準予防策は、感染症の有無に関わらず、すべての患者に対して実施される感染予防対策です。感染症患者のみに適用されるわけではありません。この選択肢は誤りです。 - 歩行練習中に患者が出血した場合は手袋をして対処する。(正解)
血液や体液に触れる可能性がある場合には、手袋を着用して対処するのが標準予防策の基本です。患者の感染リスクに関わらず適用されるため、この選択肢は正解です。 - 屋外での歩行練習では感染予防対策は不要である。
標準予防策は、環境を問わず、すべての医療行為やケアにおいて適用されます。屋外であっても、血液や体液に触れる可能性がある場合には、感染予防対策が必要です。この選択肢は誤りです。 - 血圧測定を行う前の手指衛生は不要である。
血圧測定の前後で手指衛生を行うことは感染予防策の基本です。患者間での交差感染を防ぐため、血圧測定のような非侵襲的な行為でも手指衛生が必要です。この選択肢は誤りです。 - マスクはN95を使用する。
標準予防策では、状況に応じて適切な個人防護具を選択します。N95マスクは空気感染予防が必要な場面(例:結核や麻疹など)で使用しますが、標準予防策として常にN95マスクを使用するわけではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
標準予防策は、すべての患者に適用される基本的な感染予防対策で、手指衛生、適切な防護具の使用、患者環境の清潔保持が重要です。具体的な対策を状況ごとに適切に選択することが、医療現場での感染リスクを低減する鍵です。