脊髄小脳変性症で正しいのはどれか。2つ選べ。
- Frenkel体操は無効である。
- 視覚障害を伴うことが多い。
- 包括的な評価指標にSARAがある。
- 患者数は非遺伝性に比べて遺伝性が多い。
- 自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が少ない。
解答解説
正解は3. 包括的な評価指標にSARAがあると5. 自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が少ないです。
脊髄小脳変性症(SCD:Spinocerebellar Degeneration)は、小脳・脊髄・脳幹を中心に進行性の変性を引き起こす疾患群です。運動失調や姿勢保持障害が主な症状であり、評価や治療には専門的な指標とリハビリテーションが必要です。
各選択肢の解説
- Frenkel体操は無効である。
Frenkel体操は運動失調に対するリハビリテーションの一つであり、運動制御を視覚的に補助することで症状改善を図ります。運動失調を持つSCD患者に対して有効であるため、この選択肢は誤りです。 - 視覚障害を伴うことが多い。
SCDの主な症状は運動失調や構音障害、平衡障害であり、視覚障害を主要症状として伴うことはまれです。この選択肢は誤りです。 - 包括的な評価指標にSARAがある。(正解)
SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)は、小脳性運動失調の評価指標であり、運動失調を中心に包括的な評価が可能です。SCD患者の評価に広く用いられています。この選択肢は正解です。 - 患者数は非遺伝性に比べて遺伝性が多い。
SCDは非遺伝性(孤発性)の多系統萎縮症(MSA)が多くを占めており、遺伝性疾患よりも頻度が高いです。この選択肢は誤りです。 - 自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が少ない。(正解)
自律神経障害(排尿障害や起立性低血圧など)は、非遺伝性(MSA)で特に顕著です。一方で、遺伝性SCDでは自律神経障害の頻度は少ない傾向があります。この選択肢は正解です。
ワンポイントアドバイス
SCDのリハビリテーションでは、運動失調を補助するFrenkel体操やバランス訓練が重要です。また、評価指標としてSARAを用いることで運動失調の定量的な評価が可能です。非遺伝性疾患である多系統萎縮症(MSA)では自律神経障害が顕著なため、症状に応じた対応が必要です。