第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題21

患者への治療に対するインフォームドコンセントとして適切なのはどれか。

  1. 専門用語で説明する。
  2. 説明用の文書を用意する。
  3. 治療のデメリットは伝えない。
  4. 心理状態に関わらず患者の決定が優先される。
  5. 患者は正当な理由があっても同意を撤回できない。

解答解説

正解は2. 説明用の文書を用意するです。

インフォームドコンセントは、患者が治療内容を十分に理解した上で治療に同意することを目指す重要なプロセスです。そのためには、口頭での説明だけでなく、患者が理解しやすい説明用文書を用意することが適切です。文書を用いることで、患者は時間をかけて内容を確認でき、不安を軽減することにもつながります。

各選択肢の解説

  1. 専門用語で説明する。
    専門用語を用いた説明は、患者にとって内容が分かりにくくなる可能性があります。インフォームドコンセントでは、患者が理解できる言葉で説明することが原則です。この選択肢は不適切です。
  2. 説明用の文書を用意する。(正解)
    説明用文書は患者が内容を確認するための重要な手段です。特に複雑な治療内容やリスクを伴う場合、文書を併用することで患者の理解が深まります。この選択肢は適切です。
  3. 治療のデメリットは伝えない。
    インフォームドコンセントでは、治療のメリットだけでなくデメリットやリスクについても正確に説明することが求められます。患者が正しい選択をするために必要な情報を隠すことは不適切です。
  4. 心理状態に関わらず患者の決定が優先される。
    患者の心理状態が不安定な場合、適切な判断を下すことが難しい場合があります。その際には、家族や医療チームと協議して慎重に進める必要があります。患者の決定が全ての状況で優先されるわけではありません。
  5. 患者は正当な理由があっても同意を撤回できない。
    インフォームドコンセントは患者の意思に基づいて行われるため、患者が正当な理由で同意を撤回することは当然認められます。同意の撤回を否定するのは不適切です。

ワンポイントアドバイス

インフォームドコンセントでは、患者の理解を深めることが最重要です。具体的には、

  • 患者が分かりやすい言葉を用いる。
  • 説明用文書を準備する。
  • メリット・デメリットを公平に伝える。
    これらを徹底し、患者が安心して治療を選択できる環境を提供することが大切です。