脊髄損傷の自律神経過反射でみられるのはどれか。
- 発汗
- 頻脈
- 高血圧
- 低血糖
- 四肢の疼痛
解答解説
正解は1と3です。
自律神経過反射(Autonomic Dysreflexia)は、脊髄損傷(特にT6以上)による重篤な合併症であり、強い交感神経反射が引き起こされます。これにより、以下の症状が典型的に現れます:
- 発汗(1):損傷部位より上の発汗が過剰に生じます。
- 高血圧(3):末梢血管が収縮し、血圧が急激に上昇します。
各選択肢の解説
- 発汗(正解)
正しい選択肢です。損傷部位より上では交感神経の影響で発汗が増加します。一方、損傷部位以下では発汗が起こりません。 - 頻脈
自律神経過反射では、高血圧に対する反射として迷走神経が刺激され、むしろ徐脈が起こることが多いです。この選択肢は誤りです。 - 高血圧(正解)
正しい選択肢です。膀胱や直腸の過度な膨張などが引き金となり、末梢血管収縮によって急激な血圧上昇が起こります。 - 低血糖
低血糖は自律神経過反射の症状ではありません。この選択肢は誤りです。 - 四肢の疼痛
自律神経過反射では疼痛が主訴になることはありません。四肢の疼痛は損傷部位や末梢神経の障害による可能性が考えられますが、直接的な症状ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
自律神経過反射の症状と対応策を押さえましょう:
- 主な症状:高血圧、徐脈、発汗(損傷部位以上)、頭痛、顔面紅潮。
- 原因:膀胱の過伸展、便秘、皮膚刺激、痛み。
- 対応:
- すぐに原因を取り除く(例:カテーテルの確認、便の除去)。
- 血圧管理を行い、必要であれば降圧薬を使用する。
迅速な対応が合併症の予防に重要です。