第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題2

図に示す姿勢が出現する時期として正しい順序はどれか。

  1. A → B → C
  2. A → C → B
  3. B → C → A
  4. C → A → B
  5. C → B → A

解答解説

正解は2.A → C → Bです。

解説

姿勢の発達は、反射の消失や新しい姿勢制御の獲得を通じて進行します。各図の姿勢とその出現時期を以下に解説します。

姿勢の解説

  • A(非対称性緊張性頸反射:ATNR)
    生後すぐに観察される原始反射の一つで、生後4〜6か月ごろまでに消失します。首を回した方向に伸展、反対側に屈曲する姿勢が見られます。
  • C(Landau反射)
    生後3〜5か月頃から出現し、12〜24か月ごろまで継続します。腹ばいで持ち上げた際、頭・体幹・四肢が伸展する姿勢を取ります。
  • B(四つ這い準備姿勢)
    生後6〜8か月ごろから観察され、歩行前の準備段階として体幹と四肢の筋力発達に関係します。

正しい順序

  • 最初にA(非対称性緊張性頸反射)が出現します。これは最も早期に見られる反射です。
  • 次にC(Landau反射)が出現します。体幹や四肢の伸展制御の発達に関連します。
  • 最後にB(四つ這い準備姿勢)が出現します。これは運動発達が進行してから見られる姿勢です。

各選択肢の解説

  1. A → B → C
    四つ這い準備姿勢(B)はLandau反射(C)よりも後に出現するため、この順序は誤りです。
  2. A → C → B(正解)
    非対称性緊張性頸反射(A)が最初に出現し、その後Landau反射(C)が見られ、最後に四つ這い準備姿勢(B)が観察されるため、この選択肢が正解です。
  3. B → C → A
    四つ這い準備姿勢(B)が最初に出現することはなく、この順序は誤りです。
  4. C → A → B
    Landau反射(C)は非対称性緊張性頸反射(A)よりも後に出現するため、この順序は誤りです。
  5. C → B → A
    四つ這い準備姿勢(B)は非対称性緊張性頸反射(A)よりも後に出現するため、この順序は誤りです。

ワンポイントアドバイス

小児の反射や姿勢制御の発達を理解する際には、原始反射→姿勢反射→運動発達の流れを把握することが重要です。
また、反射の消失と新たな反射・姿勢の獲得時期を整理しておくと、問題を効率的に解けます。