第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題52

橈骨粗面に付着する筋はどれか。

  1. 肘筋
  2. 上腕筋
  3. 腕橈骨筋
  4. 上腕二頭筋
  5. 橈側手根屈筋

解答解説

正解は4. 上腕二頭筋です。

橈骨粗面(radial tuberosity)は橈骨の近位部にある隆起で、上腕二頭筋の腱が付着する部位です。 上腕二頭筋は肘関節の屈曲および前腕の回外(スープを持つ動作)に寄与します。この付着部の構造は筋の作用力を効率的に伝えるための重要なポイントとなります。

選択肢の解説

  1. 肘筋
    肘筋は上腕骨の外側上顆から起始し、尺骨の近位部に停止します。橈骨粗面には付着せず、肘関節の伸展を補助する筋肉です。
  2. 上腕筋
    上腕筋は上腕骨の前面から起始し、尺骨の鉤状突起に停止します。肘関節の屈曲を担いますが、橈骨には付着しません。
  3. 腕橈骨筋
    腕橈骨筋は上腕骨の外側縁から起始し、橈骨遠位部の茎状突起に停止します。肘関節の屈曲に寄与しますが、橈骨粗面には関係がありません。
  4. 上腕二頭筋(正解)
    上腕二頭筋は長頭が肩甲骨の関節上結節、短頭が烏口突起から起始し、橈骨粗面に停止します。この付着により、屈曲と回外動作の主要な働きを発揮します。
  5. 橈側手根屈筋
    橈側手根屈筋は上腕骨の内側上顆から起始し、第2および第3中手骨底に停止します。手関節の屈曲と橈屈を担いますが、橈骨粗面には付着しません。

ワンポイントアドバイス

筋の起始と停止、および関節運動との関連を正確に理解することが重要です。 特に上腕二頭筋のように多機能な筋は付着部と作用をセットで覚えると効率的です。橈骨粗面が前腕の回外動作に関連することも試験頻出なので、確認しておきましょう。