第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題48

法律とその規定内容の組合せで誤っているのはどれか。

  1. 医療法 ―― インフォームドコンセント
  2. 介護保険法 ―― 義肢の支給
  3. 健康増進法 ―― がん検診
  4. 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律〈バリアフリー新法〉 ―― 車椅子使用者用の駐車場確保
  5. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉 ―― 自立生活援助

解答解説

正解は2(介護保険法 ―― 義肢の支給)です。
介護保険法では、要介護・要支援者に対する介護サービスや福祉用具の貸与・購入補助を提供していますが、義肢や装具の支給は含まれていません。義肢の支給は主に障害者総合支援法や労災保険法などに基づいて行われます。

各選択肢の解説

  1. 医療法 ―― インフォームドコンセント
     正しい組合せです。医療法では、患者の意思を尊重するためにインフォームドコンセント(十分な説明と同意)の実施が義務付けられています。
  2. 介護保険法 ―― 義肢の支給
     誤りです。介護保険法は福祉用具(手すり、歩行器など)の貸与や購入補助が対象であり、義肢や装具は対象外です。これらは障害者総合支援法などの対象です。
  3. 健康増進法 ―― がん検診
     正しい組合せです。健康増進法は、生活習慣病予防のための検診(がん検診、特定健診など)や健康づくりを推進するための法律です。
  4. 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律〈バリアフリー新法〉 ―― 車椅子使用者用の駐車場確保
     正しい組合せです。バリアフリー新法は、高齢者や障害者が利用しやすい環境整備(例:車椅子使用者用駐車場の設置)を促進する法律です。
  5. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉 ―― 自立生活援助
     正しい組合せです。障害者総合支援法は、障害者の自立した生活を支援するためのさまざまなサービス(例:自立生活援助、居宅介護)を提供する法律です。

ワンポイントアドバイス

各法律の目的と内容を明確に整理して覚えることが重要です。特に介護保険法、障害者総合支援法、健康増進法は、試験に頻出のテーマです。福祉用具と医療器具の適用範囲の違いにも注意しましょう。