悪性腫瘍の合併がない初発の皮膚筋炎で、死因となる頻度が最も高い合併症はどれか。
- 肝不全
- 腎不全
- 心筋梗塞
- 間質性肺炎
- ステロイドミオパチー
解答解説
正解は4(間質性肺炎)です。
皮膚筋炎(dermatomyositis)は全身性炎症性疾患で、筋肉および皮膚を主に侵します。初発の皮膚筋炎では間質性肺炎を合併する頻度が高く、重症化すると急性進行性間質性肺炎(急性増悪)を引き起こし、死因となる場合が多いです。間質性肺炎は呼吸不全を引き起こしやすく、皮膚筋炎患者の生命予後に大きく影響します。
各選択肢の解説
- 肝不全
誤りです。肝不全はステロイドなどの薬剤による副作用や、合併症として発生する可能性がありますが、初発の皮膚筋炎の主な死因ではありません。 - 腎不全
誤りです。皮膚筋炎に伴う腎障害は比較的稀で、腎不全が主な死因となることは少ないです。 - 心筋梗塞
誤りです。皮膚筋炎では心臓の合併症として心筋炎や不整脈がみられることがありますが、心筋梗塞は初発例では主要な死因ではありません。 - 間質性肺炎
正しい選択肢です。皮膚筋炎患者の間質性肺炎は重症化すると生命予後を左右する重要な合併症です。特に急性進行性間質性肺炎は致死率が高く、迅速な診断と治療が必要です。 - ステロイドミオパチー
誤りです。ステロイドミオパチーは治療による副作用として筋力低下を引き起こしますが、致命的な合併症とはなりません。
ワンポイントアドバイス
皮膚筋炎の予後は、間質性肺炎の重症度や進行性の有無に大きく依存します。診断時には呼吸機能検査や高分解能CT(HRCT)を活用し、早期に間質性肺炎の有無を評価することが重要です。また、免疫抑制剤やステロイド治療の管理に細心の注意を払いましょう。