第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題55

足関節外側面において、外果の前方を走行する筋はどれか。

  1. 後脛骨筋
  2. 短腓骨筋
  3. 長腓骨筋
  4. 第3腓骨筋
  5. 長母指屈筋

解答解説

正解は4. 第3腓骨筋です。

解説
第3腓骨筋(フィブラーリス・テーティアス)は、前脛骨筋群に属し、腓骨前面下部から起こり、第5中足骨底に停止する筋です。この筋は足関節の外反および背屈に寄与し、外果の前方を通る唯一の筋です。他の腓骨筋(長腓骨筋・短腓骨筋)は外果の後方を通るため、外果の前方を走行する筋は第3腓骨筋に限られます。

選択肢の解説

  1. 後脛骨筋
    後脛骨筋は深部屈筋群に属し、足関節の内側(内果付近)を通過して足底に至ります。外果の前方を通る筋ではありません。
  2. 短腓骨筋
    短腓骨筋は腓骨外側面を下行し、外果の後方を走行します。第5中足骨粗面に停止し、足関節の外反に寄与しますが、外果の前方を走行することはありません。
  3. 長腓骨筋
    長腓骨筋も短腓骨筋と同様に、腓骨外側面を走行し、外果の後方を通ります。その後、足底を横断して第1中足骨底に停止する筋であり、外果の前方を通りません。
  4. 第3腓骨筋
    正解です。この筋は腓骨前面下部から起こり、外果の前方を通過して第5中足骨底に停止します。足関節の背屈および外反に関与し、外果の前方を走行する特徴的な筋です。
  5. 長母指屈筋
    長母指屈筋は深部屈筋群に属し、足関節の内側(内果付近)を通過して足底に向かいます。母趾の屈曲を担う筋であり、外果の前方を走行することはありません。

ワンポイントアドバイス

足関節周囲の筋肉を覚える際は、内果・外果を基準に位置関係を把握することが重要です。外果の前方を走行する筋は第3腓骨筋のみであり、他の腓骨筋群や深部屈筋群と区別して覚えましょう。さらに、背屈や外反に関与する筋としての機能も合わせて理解してください。