第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題24

正常な歩行周期とその説明の組合せで正しいのはどれか。

  1. 右立脚中期――右踵接地から左爪先離地まで
  2. 右立脚終期――左踵離地から右踵離地まで
  3. 右前遊脚期――左踵接地から右爪先離地まで
  4. 右遊脚中期――右爪先離地から右足部が左下腿部を通過するまで
  5. 右遊脚終期――右足部が左下腿部を通過してから右下腿が垂直になるまで

解答解説

正解は3.右前遊脚期――左踵接地から右爪先離地までです。

歩行周期は「立脚期」と「遊脚期」に分かれ、それぞれがさらに細かい段階に分けられます。右前遊脚期(プレスウィング期)は、左踵が接地し右爪先が離地するまでの期間で、右足の立脚期の終わりにあたります。以下、他の選択肢と照らし合わせて解説します。

選択肢の解説

  1. 右立脚中期――右踵接地から左爪先離地まで
    右立脚中期は、右踵接地後に体重が右足に完全に移り、左足が離地するまでの期間です。しかし、この記述は立脚中期ではなく「荷重応答期」に近い内容であり、正しい組み合わせではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 右立脚終期――左踵離地から右踵離地まで
    右立脚終期(ターミナルスタンス期)は、右足に体重が乗った状態で左足が離地し、右足の踵が離地するまでの期間です。記述が実際の定義と一致していません。この選択肢は誤りです。
  3. 右前遊脚期――左踵接地から右爪先離地まで
    右前遊脚期(プレスウィング期)は、左踵が接地し、右爪先が離地するまでの期間であり、この記述は正しい組み合わせです。正解です。
  4. 右遊脚中期――右爪先離地から右足部が左下腿部を通過するまで
    右遊脚中期は、右爪先が離地してから右足が左足を通過するまでの期間を指します。この記述は正しい内容ですが、該当するのは「遊脚中期」ではなく別の段階である可能性があります。この選択肢は誤りです。
  5. 右遊脚終期――右足部が左下腿部を通過してから右下腿が垂直になるまで
    右遊脚終期は、右足が左足を通過した後、右足が床に向かって下降していく段階です。「右下腿が垂直になるまで」という記述は適切ではなく、正しい組み合わせではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

歩行周期の各段階(立脚期・遊脚期)とそれぞれの細かいフェーズ(初期接地、中期立脚、終期立脚、前遊脚、遊脚中期、遊脚終期)の定義を正確に覚えましょう。特に、立脚期と遊脚期の区切りや、左右の足のタイミングの違いが試験で頻出するポイントです。