関節リウマチに対する運動療法で正しいのはどれか。
- 活動期では関節可動域運動は行わない。
- 環軸椎亜脱臼では頸椎可動域運動を行う。
- 関節強直では関節可動域運動を行う。
- 等尺性運動で筋力を維持する。
- ムチランス変形では他動運動を行う。
解答解説
正解は4(等尺性運動で筋力を維持する)です。
関節リウマチでは、関節を保護しながら筋力や可動域を維持することが重要です。等尺性運動は関節への負担が少なく、活動期や炎症のある関節にも安全に行える運動方法として適しています。
選択肢の解説
- 活動期では関節可動域運動は行わない。
誤りです。活動期でも痛みが許容範囲内であれば、関節の可動性を保つために軽い関節可動域運動(特に他動的な運動)が推奨されます。ただし、無理のない範囲で行う必要があります。 - 環軸椎亜脱臼では頸椎可動域運動を行う。
誤りです。環軸椎亜脱臼はリウマチ患者に特有の危険な合併症で、頸椎の不安定性が高いため頸椎の可動域運動は禁忌です。むしろ頸椎を安定化させる方法を検討します。 - 関節強直では関節可動域運動を行う。
誤りです。関節強直が進行している場合は、関節可動域運動を行っても改善が難しいため、無理に動かすことで痛みや損傷を引き起こす可能性があります。状況に応じて運動内容を調整する必要があります。 - 等尺性運動で筋力を維持する。
正しい選択肢です。等尺性運動は関節を動かさずに筋力を維持・向上させる方法で、関節への負担が少なく、活動期や炎症がある場合でも安全に行える運動療法です。 - ムチランス変形では他動運動を行う。
誤りです。ムチランス変形はリウマチ性関節破壊の一形態で、関節の構造が著しく崩壊しているため、他動運動でも損傷を引き起こすリスクがあります。慎重な対応が必要です。
ワンポイントアドバイス
関節リウマチの運動療法では、病状に応じた運動強度と内容を選ぶことが重要です。活動期には可動域運動や等尺性運動を軽めに行い、寛解期には筋力強化や有酸素運動を追加して全身の健康を維持します。関節を保護しつつ無理なく進めることを意識しましょう。