静的立位で下義足の足部内側が床から浮き上がった。原因はどれか。
- toe-out角が大きすぎる。
- 初期屈曲角が不足している。
- 初期内転角が不足している。
- ソケットの外壁が高すぎる。
- 足部が外側に位置しすぎている。
解答解説
正解は3(初期内転角が不足している)です。
義足の初期内転角(大腿部が内側に傾く角度)が不足している場合、大腿骨の正常な内転位置が保たれず、義足全体が外側に傾きやすくなります。その結果、義足の足部内側が床から浮き上がることがあります。これは義足の調整不良による典型的な問題です。
各選択肢の解説
- toe-out角が大きすぎる
誤りです。toe-out角が大きすぎる場合、足部の外側が床から浮き上がることが多く、内側が浮き上がる現象は起こりません。 - 初期屈曲角が不足している
誤りです。初期屈曲角が不足していると、膝関節伸展方向への負荷が増し、歩行中の義足の前後方向の安定性に影響を与えることがありますが、静的立位での足部内側の浮き上がりには直接関係しません。 - 初期内転角が不足している
正しい選択肢です。初期内転角が不足すると、大腿骨が外側に過剰に傾くため、義足全体が外側に倒れる力が働き、足部内側が浮き上がる原因となります。 - ソケットの外壁が高すぎる
誤りです。ソケットの外壁の高さは義足の支持力や快適性に影響しますが、足部内側の浮き上がりとは無関係です。 - 足部が外側に位置しすぎている
誤りです。足部が外側に位置しすぎると、義足全体の重心が外側に移動し、足部の外側が浮き上がる可能性がありますが、内側が浮き上がる原因とはなりません。
ワンポイントアドバイス
義足の静的および動的評価では、足部の接地状況や義足の傾きに注意を払い、ソケットの内転角やtoe-out角などの調整不良を特定することが重要です。静的立位での足部内側の浮き上がりは、初期内転角不足が最も多い原因であるため、調整ポイントとして覚えておきましょう。