第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題12

図に示す姿勢のうち、労働災害予防を目的とした動作指導で適切な作業姿勢はど
れか。

解答解説

正解は 5 です。

この問題では、作業姿勢の安全性と労働災害の予防に適した動作を選択する必要があります。労働災害を防ぐためには、腰部への負担を軽減することが重要です。正しい持ち上げ姿勢では、膝を曲げ、腰を曲げすぎないようにし、物を体に近づけて持ち上げることが推奨されます。このように膝を使って体を支えることで腰への負担が少なくなります。図5は膝をついて作業を行う姿勢で、腰を曲げずに作業を行うことができ、腰痛などのリスクを軽減できます。

選択肢の解説

  1. 図1: 椅子に腰かけた姿勢ですが、背中が丸まっています。この姿勢は腰椎への負担がかかりやすく、長時間続けると腰痛のリスクが高まります。
  2. 図2: 前かがみで手を伸ばす姿勢です。腰が反りすぎており、腰椎に負担が集中しやすく、また物が遠くにあるため不安定です。腰痛の原因になりやすい不適切な姿勢です。
  3. 図3: 上の棚にある物を取ろうとする姿勢です。腕を上げて作業をすることで肩や首に負担がかかりやすく、高い位置の物を取る際は脚立を使用するなど工夫が必要です。
  4. 図4: 背中を丸めて前屈し、物を持ち上げようとしています。この姿勢は腰への負担が非常に大きく、腰痛やヘルニアのリスクを高めるため、適切ではありません。
  5. 図5: 膝を曲げ、腰を伸ばしたままで作業している姿勢です。この姿勢は腰にかかる負担が軽減され、労働災害の予防には適しています。正しい姿勢として推奨されます。

ワンポイントアドバイス

労働災害予防のためには、「膝を曲げて腰を守る」姿勢が重要です。物を持ち上げる際には、膝を曲げて腰を反らさず、荷物を体に近づけて持ち上げるよう指導します。また、長時間の作業では、定期的に休憩を取り、姿勢を変えることで腰や肩への負担を軽減することも効果的です。