第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題22

予防医学に関する組合せで正しいのはどれか。

  1. 一次予防 褥瘡対策
  2. 二次予防 人間ドック
  3. 二次予防 ワクチン接種
  4. 三次予防 肺がん検診
  5. 三次予防 透析患者の運動療法

解答解説

正解は 2. 二次予防 人間ドック および 5. 三次予防 透析患者の運動療法 です。

解説

予防医学は、疾患の発症予防、早期発見・治療、再発防止や障害の進行抑制を目指す医学の一分野です。その段階は以下のように分類されます。

一次予防

疾患の発症を未然に防ぐための介入。
例:健康教育、生活習慣改善、ワクチン接種など。

二次予防

疾患の早期発見と早期治療を目的とする介入。
例:人間ドック、がん検診、健康診断など。

三次予防

疾患の進行防止や再発予防、後遺症の悪化防止、リハビリテーションを目的とする介入。
例:透析患者への運動療法、慢性疾患患者への管理など。

各選択肢の解説

  1. 一次予防 褥瘡対策
    褥瘡対策は、発症している患者に対するケアや治療が主であり、三次予防に該当します。この選択肢は誤りです。
  2. 二次予防 人間ドック(正解)
    人間ドックは疾患の早期発見・早期治療を目的としており、二次予防に該当します。この選択肢が正解です。
  3. 二次予防 ワクチン接種
    ワクチン接種は疾患の発症を予防する一次予防に該当します。この選択肢は誤りです。
  4. 三次予防 肺がん検診
    肺がん検診は、疾患の早期発見を目的としているため、二次予防に該当します。この選択肢は誤りです。
  5. 三次予防 透析患者の運動療法(正解)
    透析患者に対する運動療法は、疾患の進行防止や生活の質(QOL)の改善を目指した三次予防に該当します。この選択肢が正解です。

ワンポイントアドバイス

予防医学では、一次予防が疾患の発症を防ぐ「予防策」、二次予防が疾患を「早期に見つけるための検査」、三次予防が「発症後の進行防止やリハビリ」と覚えておくと整理しやすいです。医療・リハビリテーション分野では、三次予防が患者の生活の質向上に直結するため、重要な取り組みとなります。