運動学習について正しいのはどれか。
- 固有感覚情報は影響しない。
- 言語学習よりも保持期間が短い。
- 学習課題の類似性に影響を受ける。
- 前の学習が後の学習を妨害することを正の転移という。
- 課題の種類にかかわらず覚醒レベルが高いと学習効果が高くなる。
解答解説
正解は3(学習課題の類似性に影響を受ける)です。
運動学習は、過去に学んだ課題との類似性が学習に大きな影響を及ぼします。類似した課題の場合は「正の転移」として有利に働きますが、異なる課題では「負の転移」として学習を妨害することがあります。
各選択肢の解説
- 固有感覚情報は影響しない
誤りです。固有感覚情報(筋紡錘や関節受容器からの情報)は、運動制御や学習において重要な役割を果たします。影響を無視することはできません。 - 言語学習よりも保持期間が短い
誤りです。運動学習は長期記憶に蓄えられる場合が多く、言語学習よりも保持期間が長いことがあります(例:自転車の乗り方など)。 - 学習課題の類似性に影響を受ける
正しい選択肢です。運動学習は、以前学んだ課題の内容や条件が新しい課題に影響を与えます。課題が類似している場合、学習効率が向上することがあります。 - 前の学習が後の学習を妨害することを正の転移という
誤りです。前の学習が後の学習を妨害する場合を「負の転移」といいます。逆に有利に働く場合が「正の転移」です。 - 課題の種類にかかわらず覚醒レベルが高いと学習効果が高くなる
誤りです。覚醒レベルが高すぎると、特に複雑な課題では学習効果が低下することがあります(ヤーキーズ・ドッドソンの法則)。課題の種類に応じた適切な覚醒レベルが必要です。
ワンポイントアドバイス
運動学習における「転移」は、過去の経験が新しい課題の学習に与える影響を指します。正の転移は学習を促進し、負の転移は学習を妨害します。また、覚醒レベルや固有感覚情報など、個々の要因が学習効果に影響することを理解し、患者の状態に応じた適切な運動学習プログラムを構築しましょう。