急性炎症と比較した場合の慢性炎症の特徴はどれか。
- 局所の浮腫
- 白血球の集積
- フィブリン析出
- 毛細血管の退縮
- 血管透過性の亢進
解答解説
正解は4.毛細血管の退縮です。
慢性炎症は、急性炎症が解消せずに長期化した場合に起こり、繊維化や血管構造の変化が特徴です。急性炎症で見られる浮腫や血管透過性の亢進などは慢性炎症ではあまり顕著ではなく、毛細血管の退縮や繊維芽細胞の増殖が主要な特徴です。
選択肢の解説
- 局所の浮腫
浮腫は急性炎症で顕著にみられる特徴であり、血管透過性の亢進により間質に液体が漏出することで起こります。慢性炎症では目立たないため、この選択肢は誤りです。 - 白血球の集積
急性炎症では好中球が主に集積しますが、慢性炎症では単球やリンパ球、マクロファージが主体となります。この選択肢は急性炎症の特徴を指しているため誤りです。 - フィブリン析出
フィブリン析出は急性炎症で顕著にみられますが、慢性炎症ではあまり目立ちません。この選択肢は誤りです。 - 毛細血管の退縮
慢性炎症では血管新生が一時的に起こりますが、進行すると毛細血管が退縮し、繊維化が進行します。これが慢性炎症の特徴であるため、この選択肢が正解です。 - 血管透過性の亢進
血管透過性の亢進は急性炎症の特徴であり、炎症初期に好中球や液体が組織に移動する原因となります。慢性炎症ではこの特徴は弱まります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
急性炎症と慢性炎症の主な違いを整理しましょう:
- 急性炎症:浮腫、好中球の集積、血管透過性亢進。短期間で解消する。
- 慢性炎症:マクロファージやリンパ球の浸潤、繊維化、血管新生→退縮。持続的で組織破壊と修復が同時進行する。
炎症の進行過程を理解することで、問題に対応しやすくなります。