第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題24

感覚機能について正しいのはどれか。

  1. 聴覚路は上側頭回に至る。
  2. 視覚路は内側膝状体を通る。
  3. 深部覚は脊髄視床路を上行する。
  4. 痛覚は脊髄内で後索を上行する。
  5. 味覚は副神経を経由して伝わる。

解答解説

正解は1(聴覚路は上側頭回に至る)です。
聴覚は、耳から伝わる信号が内耳を経て、聴神経(蝸牛神経)を通り、脳幹でシナプスを形成した後、上側頭回(一次聴覚野)に伝わります。上側頭回(側頭葉)は聴覚の中枢として機能します。

各選択肢の解説

  1. 聴覚路は上側頭回に至る
     正しい選択肢です。上側頭回は聴覚情報を処理する一次聴覚野であり、聴覚路の最終到達地点です。
  2. 視覚路は内側膝状体を通る
     誤りです。視覚路は外側膝状体を通ります。内側膝状体は聴覚路に関与します。
  3. 深部覚は脊髄視床路を上行する
     誤りです。深部覚(位置覚、振動覚など)は後索-内側毛帯路を上行します。脊髄視床路は痛覚や温度覚に関与します。
  4. 痛覚は脊髄内で後索を上行する
     誤りです。痛覚は脊髄視床路を上行し、脊髄内では後索ではなく前側索を通ります。
  5. 味覚は副神経を経由して伝わる
     誤りです。味覚は顔面神経、舌咽神経、迷走神経を通りますが、副神経は関与しません。

ワンポイントアドバイス

感覚路については、各感覚がどの経路を通るかを明確に理解することが重要です。視覚路は外側膝状体、聴覚路は内側膝状体を通るという違いを押さえ、痛覚や温度覚が脊髄視床路、深部覚が後索-内側毛帯路を通ることを区別しましょう。