標準予防策〈standard precautions〉において、正しいのはどれか。
- 手洗いは温水で行う。
- 汗に触れるときは手袋を着用する。
- 感染のある患者のみを対象とする。
- 目の粘膜汚染を防ぐためのゴーグルは眼鏡で代用できる。
- 創傷皮膚に触れてしまったときは、他の部位に触れる前に手洗いをする。
解答解説
正解は5.創傷皮膚に触れてしまったときは、他の部位に触れる前に手洗いをするです。
標準予防策(standard precautions)は、すべての患者を感染源として扱い、血液・体液・分泌物・排泄物・粘膜・傷のある皮膚に接触する可能性がある場合に適切な感染防止策を行うことを基本とします。創傷皮膚に触れた場合は、感染を広げないために速やかに手洗いを行う必要があります。
選択肢の解説
- 手洗いは温水で行う。
手洗いに温水を用いることは推奨されていますが、温度が高すぎると皮膚を傷つける恐れがあります。適切な温度で行う必要があり、「温水」という表現では不十分です。この選択肢は誤りです。 - 汗に触れるときは手袋を着用する。
汗は感染源として扱わないため、汗に触れる際には手袋の着用は不要です。この選択肢は誤りです。 - 感染のある患者のみを対象とする。
標準予防策はすべての患者に適用されます。感染の有無に関係なく、すべての患者を対象とします。この選択肢は誤りです。 - 目の粘膜汚染を防ぐためのゴーグルは眼鏡で代用できる。
ゴーグルは目を完全に覆い、側面からの飛沫も防ぐ設計です。一方、眼鏡は側面が開放されており、飛沫防止の代用にはなりません。この選択肢は誤りです。 - 創傷皮膚に触れてしまったときは、他の部位に触れる前に手洗いをする。
創傷皮膚は感染源となる可能性があるため、触れた場合は他の部位に触れる前に手洗いを行うのが標準予防策の基本です。この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
標準予防策(standard precautions)の重要ポイント:
- 対象:すべての患者に適用。感染の有無は問わない。
- 手洗い:接触前後、特に汚染リスクがある場合に徹底。
- 防護具:血液・体液などに接触する場合に手袋、ゴーグル、マスクなどを使用。
適切な防護と清潔の維持を徹底し、感染リスクを最小限に抑えることが目的です。