6歳の男児。潜在性二分脊椎。足部の変形を図に示す。MMTを行ったところ、大腿四頭筋の筋力は5、内側ハムストリングスは3、前脛骨筋は3、後脛骨筋は2であった。Sharrardの分類による障害レベルはどれか。
- Ⅰ群
- Ⅱ群
- Ⅲ群
- Ⅳ群
- Ⅴ群
解答解説
正解は3.Ⅲ群です。
Sharrardの分類は、筋力評価を基に脊髄レベルごとの障害レベルを判定する基準です。この症例では、以下の筋力結果からL3レベル(Ⅲ群)に該当します。
- 大腿四頭筋:5(正常)
- 内側ハムストリングス:3(可動域内で重力に抗して動作可能)
- 前脛骨筋:3(重力に抗して動作可能)
- 後脛骨筋:2(重力を除けば動作可能)
L3レベルでは、大腿四頭筋や内側ハムストリングスが機能しますが、前脛骨筋や後脛骨筋の筋力が不十分であり、今回の筋力分布に一致します。
選択肢の解説
- Ⅰ群
Ⅰ群はT12以下の障害を示し、下肢の筋力がほとんど認められない場合に該当します。この症例では、大腿四頭筋や内側ハムストリングスの筋力が明らかに機能しているため、該当しません。 - Ⅱ群
Ⅱ群はL1〜L2レベルの障害を示します。このレベルでは股関節屈筋が部分的に機能しますが、大腿四頭筋や前脛骨筋の筋力は期待できません。この症例では大腿四頭筋や前脛骨筋が機能しているため、該当しません。 - Ⅲ群
正しいです。 Ⅲ群はL3レベルの障害を示し、大腿四頭筋が正常に機能し、内側ハムストリングスもある程度機能しますが、前脛骨筋や後脛骨筋の筋力が低下している場合に該当します。今回の筋力評価結果はL3レベルに合致します。 - Ⅳ群
Ⅳ群はL4レベルの障害を示し、前脛骨筋や後脛骨筋がより強く機能する状態を指します。この症例では前脛骨筋が3、後脛骨筋が2であり、L4レベルには該当しません。 - Ⅴ群
Ⅴ群はL5レベルの障害を示し、足趾屈筋や足趾伸筋が部分的に機能する状態です。この症例では、足趾屈筋や伸筋の機能については言及されておらず、L5レベルには該当しません。
ワンポイントアドバイス
Sharrardの分類では、筋力評価を基に障害レベルを判断します。 特に、筋群と対応する神経根レベル(大腿四頭筋:L3、前脛骨筋:L4など)を覚えておくと解答しやすくなります。リハビリテーション計画を立てる上でも、この分類を正確に理解することが重要です。