第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題10

70 歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅における ADL は、FIM による評価で、 2 項目(歩行・車椅子および階段)は T 字杖を使用しての自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。
FIM の点数はどれか。

1. 118
2. 120
3. 122
4. 124
5. 126

解答解説

正解は 4. 124 です。

この患者のFIM評価による自宅でのADL(Activities of Daily Living)状況は、歩行や階段の項目でT字杖を使用しながらの自立(得点6点)で、その他の項目については補助具を使わず自立(得点7点)しています。FIMの満点は126点であり、歩行・階段以外の項目で7点、それぞれ6点が2項目あるため、124点になります。

選択肢の解説

  1. 118
    118点は、歩行・階段の得点が5点(監視/最小介助)以下の場合の得点ですが、今回の患者は「自立」と評価されていますので、誤りです。
  2. 120
    120点は歩行・階段の評価が5点の場合ですが、本症例では両方とも6点のため該当しません。
  3. 122
    122点は、歩行・階段の評価が片方5点、もう片方が6点の場合の点数であり、今回の条件には合致しません。
  4. 124
    正解です。歩行と階段が6点で、それ以外が7点の場合の合計は124点となります。
  5. 126
    126点はFIMの満点で、全項目が7点(完全自立)である場合です。歩行と階段が6点であるため今回の患者には当てはまりません。

ワンポイントアドバイス

FIMは18項目から構成され、それぞれの項目が1~7点で評価されます。評価点数の合計が高いほどADLの自立度が高いことを示します。歩行・階段のように補助具を使用する場合は「修正自立」として6点になります。FIMの各点数に応じた評価基準をしっかり理解しておくと、合計点の計算がスムーズにできるようになります。