日常生活場面で必要とされる記憶の障害を検出するのに最も適した検査を選びなさい。
- HDS-R
- MMSE
- RAVLT
- RBMT
- WMS-R
解答解説
正解は 4.RBMT です。
RBMT(Rivermead Behavioural Memory Test)は、日常生活で必要な記憶能力を評価することを目的とした検査であり、記憶障害を生活場面での実用性の観点から検出するのに適しています。以下、各検査の特徴を解説します。
- HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)
HDS-Rは、認知機能全般の評価を目的とした検査で、主に認知症のスクリーニングに使用されます。記憶だけでなく、見当識や計算力も評価しますが、日常生活に関連した具体的な記憶障害を評価する検査ではありません。この選択肢は誤りです。 - MMSE(Mini-Mental State Examination)
MMSEも認知症のスクリーニング検査であり、HDS-Rと同様に記憶だけでなく、見当識、注意、計算などを簡便に評価します。日常生活における記憶障害の具体的な評価には不向きです。この選択肢は誤りです。 - RAVLT(Rey Auditory Verbal Learning Test)
RAVLTは、言語的な短期記憶や学習能力、長期記憶を評価する検査です。主にリスト形式の単語記憶を評価するため、特定の記憶能力を測ることに優れていますが、日常生活での実用的な記憶障害を直接評価するものではありません。この選択肢は誤りです。 - RBMT(Rivermead Behavioural Memory Test)(正解)
RBMTは、日常生活の記憶活動を模したタスク(例:予定を覚える、道順を覚える)を用いて記憶を評価する検査です。これにより、記憶障害が日常生活にどのような影響を及ぼすかを直接評価できます。日常生活で必要な記憶障害を検出する目的に最も適しているため、この選択肢が正しいです。 - WMS-R(Wechsler Memory Scale-Revised)
WMS-Rは、記憶機能全般を多角的に評価する検査です。短期記憶や長期記憶、視覚的記憶、言語的記憶などを詳細に測定します。ただし、日常生活場面での記憶障害を直接的に評価する目的には特化していません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
RBMTは、記憶障害を日常生活場面に結びつけて評価する数少ない検査です。認知症や脳損傷後のリハビリ計画に役立つ具体的な評価が可能です。試験では、HDS-RやMMSEがスクリーニング検査であること、RAVLTやWMS-Rが詳細な記憶機能を評価する検査であることを理解して、用途に応じた選択ができるように整理しておきましょう。