正中神経麻痺による猿手変形に対する上肢装具はどれか。
- 図1
- 図2
- 図3
- 図4
- 図5
解答解説
正解は5.図5です。
猿手変形は、正中神経麻痺によって母指対立筋や母指球筋が麻痺し、母指の対立や掌側外転が困難になる状態です。この結果、母指が他の指と同じ平面に並ぶ形(猿手)となります。この変形に対する装具は、母指の対立動作を補助し、機能的な手の使用を可能にすることが目的です。
選択肢の解説
- 図1
図1は手関節を固定するスプリントであり、主に手関節の安定性を保つ目的があります。正中神経麻痺の猿手変形には適していません。 - 図2
図2は手指全体を保護・固定するための装具であり、母指の対立動作の補助には寄与しません。そのため、猿手変形に対する装具としては不適です。 - 図3
図3は、主に伸展運動を補助する装具です。猿手変形において必要とされる母指の対立動作を補助する構造にはなっていません。 - 図4
図4は、外転や内転など、複雑な指の運動を補助する構造を持つ装具ですが、正中神経麻痺に特徴的な母指の対立補助には適していません。 - 図5
正しいです。 図5は母指の対立動作を補助する構造を持つ装具です。正中神経麻痺による猿手変形では、母指が他の指と対立する機能を補助する装具が必要であり、この装具はその目的に合致します。
ワンポイントアドバイス
正中神経麻痺に対する装具の目的は、母指の対立機能を補助し、手指の機能的使用を向上させることです。 猿手変形では特に母指の運動補助が重要ですので、装具選択時にはその機能を補う構造を確認しましょう。